#おかしぃオーディオ

オーディオ製品の感想を書いていきます。たぶん

冬のヘッドホン祭 2024 miniに行ってきました

タイトルの通り毎年恒例のヘッドホン祭りに行ってきたので感想記事です。遠足の思い出作文的なものなのでいつもなら正座して神妙な面持ちで読みましょうって言いたいところですが今回は大した内容では無いので肩の力を抜いて読んでください。まぁいつも大した内容ではないのですが。

ヘッドホン祭

「↑これ何の催し?ヘッドホン型の神輿とか担いだりすんの?」などと思ってる人に簡単に説明するとフジヤエービックっていうオーディオショップが主催するヘッドホンオーディオの博覧会的な催しで、毎年春夏秋冬4回に渡って開催されています。春と秋が本チャンのイベントで100社以上のメーカー・代理店が出展して新製品の発表とかも大々的に行われているんですが夏冬はminiと称して春秋の半分くらいの規模で行われているのが特徴です。

以前は中野のサンプラザで開催されていたのですがサンプラザ閉館に伴い2023年夏よりステーションコンファレンス東京という場所で開催されるようになりました。東京駅の日本橋口から出て左前に進めば建物があるんですが、私は初めて行ったときは八重洲北口あたりから出てスマホの地図片手に20分くらい彷徨って途方に暮れていた思い出があります。地図を持っても迷う男おかしぃです。

前回秋のヘッドホン祭りに行ったときは2フロア使って130社くらい出展していたのに対し今回は1フロアで60社ほどだったそうで、半分くらいの規模でした。ぼちぼち盛況してたと思います。

3ブースほど回ってきたので様子を書いていきます。

TEAC・ESOTERIC

上からN-05XD・K-05XD・(見切れてるけど)G-05

ESOTERICブランド初参加のコトでネットワークDACプリN-05XDとSACDプレーヤーK-05XDとクロックジェネレーターG-05が出展されてました。N-05XDは個人的に前々から気になっていたので出発前に視聴用楽曲を厳選したUSBメモリを用意するという気合の入れっぷりでしたがいざブースで実機と対面、試聴ってときにUSB持ってきてない事に気づき後の祭りでした。ヘッドホン祭りなだけに。仕方ないのでメーカーの方が用意した楽曲で試聴しました。ヘッドホンは持ってこなかったのでこちらも同じくメーカー用意のFocal Utopia SGでの試聴です。

一聴して驚いたのが音のスケールの大きさでした。人間左右2つの耳があって、ヘッドホンは左右の耳にそれぞれ音楽を鳴らして届けて、その左右の音楽から脳は音楽の空間イメージを形成するワケですが、N-05XD(とG-05)から聴こえた音はとても大きなイメージで壮大さを感じさせるものでした。ヘッドホン側が優れているってのもあるんでしょうが、空間イメージは経験上、アンプやDACといった上流の影響も大きいと思っているのでエソのシステムによる賜物でしょう。解像感とか音のバランスとか普段の試聴では気にしていますがこの壮大なスケール感の前ではそんなん別に良くね?ってなりました。もちろん当然良かったですよ。

以前、AUDEZE CRBNとL01TとdCS LINAの組み合わせを聴いたときにも同じ様な驚いた感覚がありました。こういうの聴くと中級機ちまちま買ってあれこれ一喜一憂するよりもハイエンド一台買って満足したほうが良いんじゃないかなぁって思います。まぁウチの財布では買えないのですが。ちなみに担当の方がめっちゃフレンドリーなのが印象的でした。ハイエンドメーカーって堅苦しいイメージがあったんですがおかげさまで肩の力を抜いて試聴に臨めました。

Austrian Audio

The Composer

Full Score One

続いてはAustrian Audioのブースにて新作のハイエンドヘッドホンThe ComposerとヘッドホンアンプFull Score Oneが出展されていたので整理券取って試聴しました。試聴時間まで他を回るなどしてテキトーに暇をつぶして、時間になったのでブースに戻ったところ他のお客さんがアンプの試聴していたのでとりあえず空くまでにとヘッドホン単体の試聴をさせてくれました。リケーブル端子がスピーカーのバナナプラグっぽいと思ったらカタログに思い切りバナナプラグ使ってますって書いてありました。つまりスピーカーケーブルが流用できる…ってコト?でしょうか。NordostのVALHALLA2とかも使えるんでしょうか?それはさておきひとまず手持ちの我が愛機EarMen Angelポタアンに繋いで聴いてみました。

一聴して中音、主旋律のパートの主張の強さが印象的でした。音のバランスが中音よりってワケでは無いのですが音が近めなのもそう感じる要因なのかもしれません。ただ艶っぽさと質感はとても良好で聴いていてひとり悦に入ってました。音色を愉しむタイプのヘッドホンだと思います。

先のお客さんの試聴が終わったのでいよいよアンプとのセット試聴に入ります。先程のポタアンと比べて一回り音場が広がって全体的に余裕のある鳴り方になりました。とはいえ音の近さはそのままで、中域の質感がグレードアップした感覚があります。その結果ひとり悦に入る度合いがアップしました。あとFull Score OneにはTTTというトランジェント改善の音質切り替えがあるのですが有効にするとチェンバロの爪弾き音などのアタックがくっきりと聴こえるようになりました。あまり派手に強調されないので聴き疲れとかは起きにくそうだと思いました。

ふとアンプボリュームを目にすると、6時最小に対し8時9時の位置に留まってました。というよりもそれ以上は爆音になりすぎて回せませんでした。Full Score Oneのパワーが高いのかとカタログをめくると最大ゲインが9Vrmsと書いてあり、特別高いものではありませんでした。というコトはThe Composer側の感度が高いのかとスペックを見てみると22Ω112dB/Vと書いてました。イヤホンのIE600が18Ω118dB/Vなのでイヤホン並に感度が高いと言えましょう。EarMen Angelで聴いてたときもローゲインモードなのに6割くらいで十分でした。普段使ってるHD660Sだと同じ音量出すのにハイゲインで同じくらいのボリューム位置にせにゃならんので、The ComposerならM0Proみたいな小っこいDAPでも音量だけなら十分取れるのでしょう。音量だけなら。

担当の方は先のエソの方のフレンドリーさに朗らかさを加えたような印象でこちらも肩の力を抜いて試聴して悦に浸れました。

STAX

新作SR-X1(仮称)をSRM-D10IIで聴くの図

そして最後に回ったのがSTAX。こちらはルーム一つ占有で出展されていて、新作イヤースピーカーの出展というコトでいつになく神妙な雰囲気が漂っておりました。かくいう私もSTAX新作の試聴の為だけにヘッドホン祭に来たと言っていいくらいの気持ちだったので神妙な面構えで試聴待ちの列に並びました。出展は既存のイヤースピーカーと目玉の新作イヤスピSR-X1(仮称)とドライバーSRM-270SのセットSRS-X1000(仮称)でした。エントリーモデルの位置づけではありますが、試聴客は皆、静かに真剣そのもので聴いておりました。やはりそれだけ注目度が高かったということでしょうか。ボケ~っとしてたら私の番が回ってきたのでいざ試聴です。

本体形状ですが、大きさはやはりラムダ系やハイエンド系よりも小ぶりな印象。ハウジングが小さいのもあるしハンモック型ヘッドパッドじゃないのもコンパクト化に寄与しているのでしょう。ケーブルも外せるし、これならポータブルのD10MK2と合わせて帰省先とかに持って行って使えそうです。持った感じとても軽く、着けても側圧はラムダ系とかと変わらないもの軽さのおかげで頭動かしてもずれにくいのがありがたいです。

SRM-270Sとの組み合わせ、DACはもちろんEanMen Angelで試聴しました。サウンドはやや軽い印象ですが繊細さや空気感の表現といったSTAX静電型の良さはしっかり感じられました。空間表現は奥行き感は乏しく、左右に広い感覚でイヤホンタイプSR-003MK2に似ていますがヘッドホンらしく耳の外まで音の広がりを感じます。

案内にSRS-X1000システムのみでの試聴できますとあったので、ダメかなと思いつつワンチャンいけるかと自前のSRM-D10MK2で試聴出来ますかと訪ねてみたところOK頂いたので繋ぎ変えて聴いてみました。D10MK2内蔵DACでの試聴です。先のとは打って変わって重量感が出てきてパワフルに。音が丸くなってやや無難になりすぎかと思いますが聴きやすくなって良きです。参考出展品なので今後何かしらの変更があるかもですが現段階ではD10MK2との組み合わせの方が断然良いと思いました。SR-X1単品販売も予定されており売価も思ったほど高くなさそうなので購入予定入りです。

まとめ

以上、冬のヘッドホン祭 2024 miniの感想でした。普段はとても聴けないようなハイエンド機を聴いてみて普段では絶対聴けないような凄い音を体験できたのが有意義でしたし、新作とか実機を触れてみて欲しいと思える製品が見つかったのも行って良かったと思いました。各ブースで対応してくださった担当者の方々と主催のフジヤさんに感謝です。未来永劫開催を続けてくれると有り難いです。

おわり。